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カテゴリー「奈良」の18件の記事

2013/06/03

車いすで行く奈良カフェ

kenkenは、最近、奈良のカフェにはまっています。

大阪では、カフェや雑貨屋さん・・というと、

「あぁ、またお母さんのおつきあいかぁ・・」という感じで

テンション下がっていたのですが、奈良では、とても

カフェが楽しいようで、最近は、毎回、帰りにカフェで

お茶、が定番になってきました(^^)

実際、奈良には、素敵なカフェが多く、町屋を改造した

店、じっくりと自然素材を使って大切にご飯を作られて

いるお店、個性的なお店が多く、母もkenkenの

おかげで、新しい発見があり、奈良Cafe ファンに

なっています。

男の子が行っても、おかしくないお店がkenkenの

お気に入りのようです。母の感想は、「一人で、

文庫本一冊もって、ゆっくり過ごしにいきたくなる

お店が多い~(^^)」という感じです。

kenkenが実際に行って、車いすでも不自由なく

利用できて、とても気にいったお店を紹介します。

(町屋を改造したカフェは、靴を脱ぐお店が多く、

kenkenには、少し利用しづらいのですが、今回は

車いすのままで入れるお店をご紹介します)

「カナカナ」

奈良町では有名なカフェで、ランチ時には、お店

の外まで待っている人があふれています。

kenkenが行った時は、夕方だったので、すぐに

入ることができて、テーブル席でゆっくりとお茶を

楽しめました。

お店にかかっているカフェミュージックや、古い町屋

の天井の造りなど、kenkenは、耳を澄まし、

目を凝らし、とても気に入っていました。

Kanakana

「bolikcoffee ボリクコーヒー」

カナカナの姉妹店で、奈良町にあります。

店内にはブラジル音楽がかかり、カナカナとは

全く違い、モダンな店内です。

その雰囲気が、kenkenの男心を刺激した

ようで・・・本当に良い顔をしていました。

P5080059

「工場跡事務室」

という名前のカフェなんです。

東大寺境内の親子レスパイトハウスの

すぐ近くにあります。

大正時代の古い乳酸菌飲料の工場をリノベーション

して造られたそうです。本当に素敵な雰囲気で、

kenkenも、とても気に入って、笑いっぱなしでした。

16時頃、小腹を空かして行ったら、ちょうど、

「おやつの時間のメニュー」少しお腹がすいている方に、

というピッタリのメニューが・・

P4260191

とっても美味しいコロッケパンや・・

P4260192_2

手捏ね天然酵母パンのピザトーストなど

本当に美味しくて、kenkenもみんな味見

して満足でした。

隣には、オーガニック衣料のお店もあり、

東大寺の独特の澄んだ空気の一角に

溶け込んだお店でした。

kenkenは特に、お兄ちゃんヘルパーさんと

奈良に行く時、「カフェに行こう~」と言うような

気がします。カフェで楽しんだ後は、家に帰って

お風呂の時も、ボサノバやジャズや・・カフェで

かかっていたような曲を選んでいます。

kenkenの発見した素敵なお店は、まだまだ

ありますが・・ひとまず、今日は、この辺で(^_-)-☆

2013/05/23

今を生きる

調子がよくなかった4月、5月。

でも、体調の合間を見て、お出かけもできました。

というより、お出かけの予定があったら、

「無理だろうなぁ・・」と母が思っていても、

奇跡のようにSPO2が上がったり、

体調が整って、その当日には、出かけられる

状態になるのです。

kenkenといると、「心と体」について、よく

考えます。

「やりたい気持ち、前向きな心」が身体を整える

現場を本当に何度も何度も見てきました。

家を出て、外の空気を吸って、kenkenの顔が

輝いて、SPO2がピュ~ンと上がるのを見た時、

みんなが笑顔になり、パワーをもらいますヽ(´▽`)/

そんな時のお出かけ先は、やっぱり奈良!

奈良をよく巡ってきたkenkenですが、まだまだ

行ったことがないお寺がたくさんあるのが、

奈良です(^^)

5月は、初めて秋篠寺に行きました。

東洋のミューズとも呼ばれる伎藝天立像があります。

その優しく美しい姿は、たくさんの人を魅きつけてきた

そうです。kenkenも、一緒に並ぶ薬師如来像、

日光菩薩、月光菩薩像とともに、心魅かれている

様子で、仏像を眺める時の独特の表情で、長い間

対峙していました。

そんな時は、「またkenkenと仏像の交信が始まったね」

とヘルパーさんと母は一緒にその時間を楽しみます。

秋篠寺には美しい苔庭があり、鳥の声だけが聞こえ、

まるで別世界にいるようでした。

P4220057

そして、素晴らしいお天気の日だったので、その後、

若草山山頂へ・・・

P4220080_2

美しい瞬間に間に合うことができました。

P4220083_2

前にkenkenと見た平原綾香のプラネタリウム

での映画の冒頭、「人は愛する人と美しい夕日

を眺めることができるのは、わずかな回数しか

ない」というようなナレーションが入っていた

ように思います。

そんな言葉が、自然とあふれだすような本当に

美しい夕日でした。何回も夕日を見ようと、この

若草山山頂に来ましたが、これほど完璧に美しい

夕日を見たのは初めてでした。

この圧倒的な美しい夕日の前では、将来の不安

も過去の後悔も存在しません。ただ、kenkenと

夕日を眺める「今」があるだけでした。

不調の中、こうやって出かけられて、こんな時を

ともにできた事は、奇跡のように思えて、

ただ、感謝・・・でした。

2013/03/15

心と魂が満ちるとき

kenkenは最近、呼吸状態があまり良くありません。

呼吸器をつけていても、突然、酸素濃度SPO2低下の

アラームが鳴り響く事が増えています。

感染を起こしているわけではなく、原因がわからず、

kenkenを見て下さるドクター方に相談しました。

kenkenは、小さい頃からかかりつけの小児神経の

主治医。呼吸器の管理、調整に月一回来て下さる

麻酔科の先生。在宅で総合的に診て下さる先生。

どの先生も、kenkenに寄り添い、真摯に診て下さる

すばらしい先生方に囲まれています。

本当に、kenkenはいつも回りの方たちに恵まれ、

支えられ、幸せだと思います。

検査の結果、kenkenの肺も、胸郭も、呼吸筋も

とても固くて、呼吸器が空気を送り込んでも、胸が

広がらず、酸素を取り込めない状態だそうです。

その固さを見るコンプライアンスの数値は、通常

30~50のところが、13ということ。

だから、少し、緊張が入ったり、お腹の逆流が起こって、

いきんだりすると、肺に空気が入らず、SPO2が

急降下するそうです。

普段は、すぐにバギングしたり、酸素を流したり

することで、回復するのですが、今月は、そうしても

回復せず、酸素量を増やして数日間、家で過ごさないと

いけない事が何回かありました。

ところが、そんな中、受診のため酸素ボンベを持って、

慎重に出かけようとしたら、もう、顔の輝きが違う

のです。一緒に行くヘルパーさんが来てくれると、

目がキラキラとし始め、車に乗ったら、ニコニコ状態。

みるみる間に、SPO2は上昇し、酸素を使わなくても

全然大丈夫な状態になりました。

大事をとって、いくら家でゆっくりしていても、ちっとも

状態はよくならないのに、外の空気を吸った途端の

変わりようです。

10年前、「意識がなくてもチューブだらけでも、必ず

家へ帰って、学校へ連れていく」と誓った時のことを

思い出します。

決して無理はできない病気です。けれども、外に

出ること。風に吹かれ、お日さまをを浴びること。

kenkenが行きたい場所へ行けること。

こんな当たり前のことが、kenkenの心を満たし、

筋肉をゆるめ、肺をやわらくし、酸素をとりこめる

のだ・・と改めて感じました。

病院の後、「唐招提寺に行きたい!」というkenken

の気持ちをヘルパーさんがキャッチしてくれて、

帰りに寄りました。(ちなみに、キャッチの仕方は、

思いつく限りの行き先を順々に挙げていくと、

kenkenが笑顔や手の振り方で教えてくれるのです)

唐招提寺は、kenkenの予想どおり、すばらしい

お寺でした。盧遮那仏を始め、たくさんの仏像が

並んでおられるところを、抱っこしてもらい、目を

キラキラさせて、見入るkenkenの横顔を

見ていると、昨日まで、あんなにSPO2が

下がり、苦しげだったkenkenとは別人

のようでした。

日本に仏教をもたらすために、5回の苦難の

船旅を乗り越えて、失明してまで来て下さった

鑑真を想った時、身体の苦しみの中、たくさんの

事を伝えてくれるkenkenが重なりました。

でも、kenkenは、身体の苦しみは、

心が満ち、魂が満ちることで、取り去る

ことができる事も教えてくれたのでした。

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2012/12/17

冬の奈良

この秋は、奈良を満喫できました。

ブログが追いつかず・・でしたが、順々に紹介させて

くださいね。

まずは、今の奈良から・・・

健太郎とヘルパーさんと奈良東大寺に出かけました。

「大仏さまにお会いするのはまたにする」とkenkenが

言うので、奈良公園をゆったりと散歩しました。

紅葉シーズンの観光客や修学旅行生でごった返す奈良

と違い、12月の奈良はゆったりと過ごすことができます。

Img_7964

四月堂では、千手観音菩薩さまとゆっくりとお会いする

ことができました。kenkenの目はキラキラと輝き、

久しぶりにいい顔を見せてくれました。

実は、先週1週間、元気がなく、SPO2が下がったり、

体温が34度台になったり、三日間くらい眠り続けたり、

少し心配な日々が続いていました。

やっぱり奈良の魅力は、kenkenにエネルギーを

吹きこんでくれるようです。

東大寺の梵鐘です。天平時代の鐘で、毎夜8時に

鳴らされるその音色は、低く深く…遠くまで響きます。

奈良時代の庶民ひとりひとりのくらしの上でも鳴って

いたその同じ音を今も聴けること・・幸せなことです。

Img_0924

が、実は今日のお目当ては東大寺ミュージアム。

現在、法華堂の不空羂索観音立像が拝観できますが、

その宝冠が修理を終え、ケースの中で、間近に見る

ことができます。

実際に目の前にして、その美しいこと(*^_^*)

一万個以上の宝石がちりばめられて、てっぺんには

大きな水晶がはめこまれていました。

宝冠の正面には化仏がおられ、天平のきらめく

光がさしてくるようでした。

kenkenと、しばらくうっとりと眺めました。

公開は1月14日まで。その後は観音さまの頭上に

戻されるので、間近では見れなくなるそうです。

Img_0520_2

今年の冬は寒い毎日でしたが、今日は、とても

暖かい一日でした。

何度行っても、魅せられる奈良ですheart04

2012/11/02

奈良大学 平原綾香コンサートへ

shine以前に平原綾香のコンサートに感動して、kenkenが

ファンクラブに入った話を書きましたlovely

その会報で、奈良大学の学園祭で平原綾香のコンサートが

あると知り、「奈良」「平原綾香」のkenkenの大好きな

キーワードが揃い、これは行かねば!という事になりました。

コンサートは18時からなので、その前に、お寺に行きたい!

というkenkenの希望で、コスモスで有名な般若寺を

訪ねました。

境内は、コスモスが満開で、その上、とても風情のある

お寺で、一歩足を踏み入れた途端、kenkenの目が

輝きました。

Dsc02457

このお寺は、東大寺を建てられた聖武天皇が、

平城京の鬼門を守るため、「大般若経」を納められたのが

寺名の起こりだそうです。

境内、いたるところに石仏があり、自然と混じり合いながら

コスモスが風に揺れる様子は、一瞬、いつの時代か、

どこにいるのか、忘れるほどでした。コスモスの中を

天平人がふっと横切っても、不思議には思わなかった

かもしれません。

ちょうど、秘仏が特別公開をしていて、偶然にも

「秘仏阿弥陀如来」も拝むことができました。

Dsc02450

この中で特別拝観できたのですが、仏さまと対面する時

のkenkenの輝く目、冴えた表情は、尋常でないほどの

もので、kenkenからエネルギーがあふれだし、仏さま

と交流しているのではないか、と思うほどでした。

お庭には、「かんまん石」というのがあり、

石の頂上には、不動明王が立っています。

この大きな石の手前のでっぱりに背中やお腹を

つけると、健康が守られる、という事で、kenkenも

母も、ヘルパーさんもしっかりとつけさせて頂きました。

すると!こんな風景を見ることができるのですhappy01

Dsc02473

後ろに見えるのが本堂です。

般若寺で撮ったどの写真も、kenkenは目を見開き、

キラキラ輝かせているのが、よくわかります。

本当に良いお寺でした。

そして、そこから、10分ほどのところに、奈良大学が

あり、平原綾香のコンサートに向かいました。

大学祭という事で、1時間のコンサート。

ツアーの時のような濃密さはなかったのですが、

やはり、その声、その訴えかけてくるハート、

すばらしい時間でした。

kenkenは、般若寺の時とは、また違った、

リラックスして、楽しむ表情で、秋の夜のコンサートを

味わっていました。

とても濃い時間を過ごした後は、みんなが、普段とは

少し違う次元で浮かんでいるような気持ちになります。

その夜のヘルパーさんとのお風呂は、また特別な

ものだったようです。

2012/11/01

奈良親子レスパイトハウス(華厳寮での時間)③

奈良親子レスパイトハウス(華厳寮の時間)3回目です。

華厳寮での二日間は、まったく非日常の時間でした。

家に帰って数日間は、日常の生活に戻っているはずなのに、

どこか夢心地で、二日間の出来事が次々と頭に浮かんでは、

幸せな気持ちにとらわれていました。

一緒に行って下さった方たちも同じ気持ちを何度も話され

ました。kenkenも色々な人たちに写真を見てもらい、

手を振り、笑い、何とか伝えようとしていました。

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口の中で溶けるようなおまんじゅうを用意して頂き、

生まれてはじめてのお茶会に出席しました。

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早朝から、東大寺大仏殿で大仏さまに対面しました。

どうして、こんなに満たされた気持ちになれるのか、何度も

考えました。kenkenとの20年間のくらしは、楽しく幸せな

日々でしたが、反面、命と向き合う戦場のような場面も

多くありました。今でも、熱を出し、アンビューバッグを

もみながら、救急車を待つ時、命を手の上に

乗せている重圧を感じます。

夜中も毎日、呼吸器や医療機器のアラームに跳び起き、

吸引をする。そんな毎日だけど、どこもショートステイを

ひきうけてくれるところがない現状の中、自分が倒れたら、

kenkenの行き場はどこにもない、その現実に暗い気持ち

になる時もあります。

けれども、今回、この宿泊に参加して、魂が満たされるような

想いになりました。それは、奈良の土地から立ち上るパワー

も大きいです。その地に立って、それがよくわかりました。

大仏さまや仏像、あるいは東大寺から発せられるエネルギー、

そして初めて会う難病のこどもと家族のために、

計画し、見えるところ見えないところで動いて下さった

たくさんの方々の想い。

たった一人を迎えるために、すべて細部まで心を尽くして

下さったおもてなしの心。

そういったものがすべてひとつになり、私たちの気持ちを

揺り動かしました。

大阪で行われた子どものホスピス「ヘレン&ダグラスハウス」

交流セミナーで学んだのですが、WHO(世界保健機関)では、

「小児のための緩和ケアとは、身体、精神、スピリットへの

積極的かつ全人的なケアであり、家族へのケアの提供も

含まれる」と定義されているそうです。

スピリットへのケアというのは、日本ではなかなか馴染みがなく、

わかりにくい言葉ですが、今回健太郎も家族も、そして同行して

くれた方々も、そして驚いたのですが、おもてなしをして下さった

ボランティアの方々も同じように感じた「不思議な満たされた

気持ち」とは、そのこと、つまり「スピリットケア」であったのでは

ないだろうか、と感じています。

母の私が倒れても、息子が生きていける場所や環境は

必要ですし、声もあげていかなければいけません。

けれども、深い経験をして魂が満たされ、そして少し

生き方が変わるような、この事業はまったく新しい次元

のもので、今後も病気の子どもや家族に生きる力を

与えてくれる気がします。

今回、参加させていただき、本当に幸せでした。

ありがとうございました。

奈良親子レスパイトハウス(華厳寮での時間)②

奈良親子レスパイトハウス(華厳寮の時間)2回目です。

「聖武天皇が、東大寺の大仏さまを作ろうとした時、人間だけでなく、

動植物、草木一本までの幸せを願って作られた。また富や権力で

作るのではなく、人民ひとりひとりが参加し、参加することを

それぞれの喜びとして大仏は完成した。

その想いでレスパイトハウスの事業を行いたいと思う。これを

公の制度や税金を使ってやろうとするなら、不可能なことで

あるけれど、病気や障害のある子どもさんや家族を、たくさんの

市民が、それぞれにできる役割で迎え、その場に参加すること

が喜びとなるなら、きっとこの事業は成し遂げられると思う」という

主旨のことを話されました。

一緒に聞いていたkenkenが、手を振り、うなづき、乗り出すように

聞いているのを観て、私も驚きました。

「参加したい。そしてみんなに伝えたい」とkenkenは言っていました。

それからは、kenkenがみんなをひっぱるような形で、奈良への

想いが家中で高まっていきました。

kenkenがより楽しく安全に参加できるよう、養護学校でお世話に

なった養護教諭の先生、いつもとても近い存在のヘルパーさん、

主治医の先生、kenkenの回りの方々も、私たち家族と一緒に

参加して下さることになりました。

それから1カ月弱は、準備が結構大変でした。医療機器や物品が

たくさん必要なので、リストアップしてみるとA4用紙2枚になる

ほどでした。どれも命を守る大切なものなので、ひとつひとつ

チェックしながら荷造りするのに、かなりの時間がかかりました。

そして、とうとう7月24日、出発に日がやってきました。

空は真っ青。車に山のような荷物を積み込み、少し緊張

しながら、奈良に向けて出発しました。

(つづく)

奈良親子レスパイトハウス(華厳寮での時間)①

このブログでも、2年前、奈良親子レスパイトハウスで、東大寺華厳寮

に宿泊し、感動の体験をしたお話を何度か書かせて頂いています。

一度、きちんと書いたものを載せなくては、とずっと思っていました。

2年前の夏、試験的第一号として宿泊させていただき、

その様子は関西テレビの夕方の情報番組

「ニュースアンカー」の特集でも放映されました。

また、その年の秋に開かれた市民公開セミナーでもお話をさせて

もらいましたので、その時の原稿をもとに、何回かに分けて

書かせて頂こうと思います。

息子の病名はミトコンドリア病のリー脳症。

ミトコンドリアでは生きていくためのエネルギーが作られますが、

その機能が弱いため、特にエネルギーを多く必要な脳や筋肉

にダメージを受ける進行性の病気です。

今から10年前、意識不明の重篤な状態に陥り、脳波もフラット、

人工呼吸器が必要になりました。

当時、私は、「どんな状態でもお家に帰り、大好きな学校に行き、

お友達と会いたい。そんな楽しい刺激の中で、きっと回復する

だろう」という思いでいっぱいでした。

そんな私たちの想いを受けて、まだ数少なかった人工呼吸器を

つけての在宅に向けて、あらゆる温かい支援を下さったのが

当時の主治医のT先生でした。

たくさんの壁を乗り越え、家に帰り、学校に通い、驚くことに

人工呼吸器も昼間は必要なくなり、とても元気になりました。

母が思ったとおり、楽しい毎日の中で、息子は目や表情で

多くの事を語り、言葉で表現できなくても、回りの人たちを

気づかい、多くの事を感じ、考えていることがだんだん

わかってきました。

そんな時にT先生から、この事業と試験宿泊のお話をお聞き

しました。在宅に向けて一緒に取り組んで下さった10年前

のことがよみがえり、声をかけて頂いたことをとても光栄で

うれしく思いました。けれども、いわゆるショートステイではなく、

「親子で泊まるレスパイト」という事に、正直、最初はピンと

こない部分がありました。その後、T先生からこの事業の意味を

お聞きすることができました。

(つづく)

 

2012/08/03

神さまの山へ・・・

暑い暑い猛暑の日が続きます。

kenkenの8月のお出かけの日。

奈良の涼しい山の方に・・という話になると、

kenkenも大賛成happy01春日山原始林に行くことになりました。

春日山原始林は標高498m。

古来、春日大社の神山として信仰の場であったため、

ほとんど手が加えられず、奈良時代からそのままの林の形

が保たれてきました。

奈良奥山ドライブウェイを通り、途中の駐車場で車を停めて

さぁ、アウトドアバギーに乗り換えです!

目指すは、450mほど歩いたところにある「地獄谷聖人窟」

「入らせて頂きます。失礼します」と神さまに心の中で

手を合わせ、ごあいさつをします。

原始林の中に入ったとたん、空気はガラッと変わり、

暑い下界とはうってかわって、ひんやりとした風が吹きます。

Dsc_0066

道は、アウトドアバギーでもきついところが多く、

ヘルパーさん達があれこれと考えながら進んでくれます。

Dsc_0059

午前中、少ししんどそうだったkenkenも、今は目を

パッチリと開け、クリアな顔になっています。

最後の最後は、とうとうアウトドアバギーでも進めず、

呼吸器を外し、抱っこで上がってくれました。

とうとう、石仏に対面shine

もしかして、kenkenは人類史上、初めてこの石仏

にお会いした車いすの人かもしれないgoodと言いあい

ました。それほど険しい道でした。

Dsc01843

洞窟に彫られた三尊像です。

真中は盧舎那仏(るしゃなぶつ)、右は十一面観音像、

左は薬師如来。まだ極彩色が残っています。

仏さまに向かいながら、その前で座っていると・・・

回りを取り囲む原始林のそこかしこから、

カナカナカナ・・・と響く「ひぐらし」の鳴き声。

真夏とは思えない涼やかな風が、さわさわと吹き、

私たちを包んでいるようでした。

Dsc_0023_2

抱っこしてもらい、その真中に座っていると、

時間も空間も、日常から遠く離れて、

異次元にいるような感覚になりました。

「天狗が見えた!」とヘルパーさんが言っても、

私たちも、「そうに違いない」と思えるような空気感でした。

kenkenは大きな目を開け、木々を見上げ、風を感じ、

たくさんのものを感じている様子でした。

精霊が見えているのかも・・と話しました。

私たちが、全身で山を感じていると同じように、

きっと山も私たちを感じている・・そんな感覚になりました。

ちょっとバギーから降りたつもりが、いつのまにか

1時間半ほど、仏さまの前で過ごしていました。

それでも、バギーに戻りながら、もしかして、バギーに

落ち葉が降り積もり、「誰がこんないたづらをしたんだ!」

という事になってるかも!と、千と千尋の神隠しの一場面

をみんな思い出していましたwink

ありました!ちゃんとバギーは私たちの帰りを待ってくれて

いました。

「ふぅ~」

駐車場の車に戻り、現実へと戻っていきながら、

今日、この神聖な時間をkenkenと共に過ごせたこと。

そしてkenkenを優しく想ってくれるヘルパーさん達と

過ごせたことが、kenkenも母も、どれほど、

幸せなことであるかと思いました。

険しい道を乗り越え、kenkenを特別な場所に連れて

いって下さったヘルパーさん達に感謝でいっぱいです。

2012/07/28

なら燈花会 早咲きの日 (奈良親子レスパイトハウス)

「なら燈花会」をご存じでしょうか。

8月5日から14日まで、奈良公園の自然や

寺院、神社など広大な地にろうそくの灯りが広がります。

期間中は大勢の人でにぎわい、車いすでは歩くのも困難を感じる

ほどです。そのため、それに先立ち、試験点灯の日を「早咲きの日」

として、高齢者や障害者の方々がゆっくりと訪れることができる

日が設定されています。

kenkenは2年前に親子レスパイトハウスで東大寺華厳寮に

宿泊した折、早咲きの日に、燈花会を案内して頂き、

その幻想的な美しさに感動しました。

それ以来、昨年に続き、今年もkenkenの「ぜひ!」という

気持ちに押され、親友のご家族と一緒に、家族で

早咲きの日に参加しました。

暗くなり始めた7時すぎに、奈良公園の会場に

向かいました。

今年も、早咲きの日に、親子レスパイトハウスでは、

お家で暮らす障害のあるお子さんのご家族を迎えておられ

ました。

会場では、親子レスパイトハウスを主宰しておられる

T先生や、2年前にお世話になった先生方や、kenkenの

主治医の先生と次々と声をかけて頂き、2年たっても、

つながっているご縁を感じ、とてもうれしく思いました。

Dsc01978

ろうそくの灯の上に、きれいなお月さまが浮かんでいました。

Dsc019802

ろうそくの灯です。一客一燈といい、ひとりひとり、祈りとともに

自分のろうそくに火をつけ、好きな場所に置くことができます。

これは、親友とkenkenのろうそくです。たくさんの灯の中に

溶け込んで、ふたりの灯は優しく温かく、ともっていました。

モンゴルの箏(こと)であるヤトガの演奏もあり、その優しく

どこか異国的な音色をkenkenは親友と、じっと聞いて

いました。ただ、kenkenの眼は親友に注がれて、

「どう?どう?いいでしょう?ずっと紹介したかってん」

と言っているようでした。

親友のお父さんが「ちょっとkenちゃん、どや顔やなぁ~」

と言われ、みんなで大笑いhappy01

本当にそのとおりでした!

コンサートが終わると、8時5分前。

8時から、東大寺の鐘が鳴ることを教えて頂いていたので、

ちょうど2年前にもお世話になった東大寺僧侶の方が

道案内をして下さり、ライトアップされた大仏殿を眺めながら

鐘の音がよく聞こえる場所に行くことができました。

Dsc01984

少しわかりにくいですが、正面に見える屋根が大仏殿

中心下に見える光は、kenkenの呼吸器です!

闇に浮かびあがる大仏殿を眺めながら聞く

天平の鐘の音は、胸に響き、お腹に響き、心に響き、

身体に響きました。

奈良時代から1200年に渡り、鳴らされ続けてきたこの

鐘の音は、数えきれない人たちの、それぞれにかけがえの

ない暮らしの上に響いてきたのでしょう。

親友と家族と一緒に、この上なく幸せそうな顔でその音を

聞いているkenkenを見ていると、「今を生きる」意味を

改めて考えさせられました。

今を生きるkenken、共に生きる私たち・・・ただただ、この

一瞬を大切に、みんなで楽しく幸せに暮らしていきましょう・・・

それが、この夜の母の祈りでした。

Dsc02000_2

東大寺南大門もこの時期はライトアップされています。

昼間に見るより、さらに壮大に見える南大門です。

そして、びっくりする事が!

私が、この写真を撮っている間に、お父さん、お母さんが

バギーを持ち上げて、階段を上り始めたのです。

最近では、ヘルパーさんに頼ることが多くなった暮らし

でしたが、「まだまだ、いけるでgood」という感じで、両家の

お父さんもがんばりました。

みんなの力で上に上がれたkenkenと親友は、おかげで

ライトアップされた金剛力士像を眺めることができました。

Dsc02006

昼間の何倍も勇壮でたくましい金剛力士像に、親友も

kenkenも目が釘づけ。こちらが驚くほどの集中力で

眺め入っていました。

金剛力士像は、口を開いた「あ」と、閉じた「うん」の二体が

向かい合っています。「あ」は宇宙の始まり、「うん」は

宇宙の終わりであるとも言われているそうです。

その間の「永遠」の空間で、kenkenと親友は長い間、

仏像たちと向かい合い続けました。

昼間は外に出るのもためらう猛暑の一日でしたが、夜の

奈良公園は、どこかひんやりした風も吹き、体温調整が

苦手な二人も元気に過ごすことができました。

自然と暮らすという事は、これほど身体に優しいことなのか、

と、一体、いつから「熱帯夜」が当たり前の日本になって

しまったのか・・そんな事まで考えさせられました。

幸せで楽しく、そしてとても深い一夜を大切な人たちと

過ごせたkenkenの目は、家に帰ってもキラキラと

輝いていました。

そもそもは、親子レスパイトハウスに参加したからこその

今宵であると思うと、たくさんの優しいご縁に感謝ですshine

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